LUNATIC FEST. 初日をレポート!!
ルナシーの25周年を締めくくりとして開催されたLUNATIC FEST.。まさに“最狂”かつ“最強”なラインナップが顔をそろえ、両日で約6万人を動員したという2日間のもようを振り返ってみたいと思います。
オープニング・アクトは、結成当時のバンド名表記である“LUNACY”で登場したルナシー。アップ・テンポの「CHESS」で幕を明け、インディーズ時のアルバムとメジャー・デビュー盤から計3曲という短い時間ながら、勢いだけでなく現在のルナシーらしい熱さも同居したステージを披露。場内の熱気をいきなり最高潮に持っていき、フェスの開幕を高らかに宣言してくれた。
【LUNACY:set list】 SE. King Volcano(バウハウス) 1. CHESS 2. MECHANICAL DANCE 3. SHADE
続いてメインのMOON ステージに登場したのは9mm Parabellum Bulletだ。
エッジの効いたサウンドに乗せて繰り広げられるメロディアスなフレーズが会場のすみずみにまで響き渡る。
そんな中、ステージに招かれたのはJ! 先ほどのLUNACYでのクールな佇まいとは一転、時折笑みを浮かべながら「Cold Edge」をセッションしてくれた。
MCで自身を“切り込み隊長”と語っていたが、その役目を充分すぎるほど果たしてくれたステージだった。
【9mm Parabellum Bullet:set list】 1. Discommunication 2.ハートに火をつけて 3.Cold Edge(with J) 4. Black Market Blues 5. 生命のワルツ 6. Punishment
会場の雰囲気を一気に変えたのはテレフォンズだ。“ディスコ”が鍵を握るダンサブルな楽曲を連発し、そのカラフルなサウンドでフロアを踊らせていく。そのハイ・テンションなステージも、またルナティック! 彼らを初めて観るという観客にも大きなインパクトを与えてくれたことを痛感したライヴ・パフォーマンスだった。
【the telephones:set list】 1. Monkey Discooooooo 2. HABANERO 3. baby, baby, baby 4. I Hate DISCOOOOOOO!!! 5. Love&DISCO
3番手には、エクスタシーの先輩であるTOKYO YANKEESが登場した。
今日も07年に亡くなったヴォーカルのUMEMURAさんの革ジャンがステージ上にかけられ、現メンバーとともに爆音ロックン・ロールを繰り広げていく。
モーターヘッドのカヴァー「エース・オブ・スペーズ」からU.D.A.のドラム・ソロ、そして「RAT RACE」への流れは、まさにTOKYO YANKEESならではの疾走感!
そして、ラストの「Hollywood Heartbreker」では、なんと、X JAPANのPATAが飛び入り!! 過去にも、PATAが加わってのライヴを何度か行なっていたが、やはりこのLUNATIC FEST.でも実現! 盛り上がる観客を前に、TOKYO YANKEESは圧倒的な存在感を見せつけてくれた。
【TOKYO YANKEES:set list】 1. Pre-emptive Strike 2. Serial Killer 3. Drugstore Cowboy 4. エース・オブ・スペーズ(モーターヘッドのカヴァー) 5. RAT RACE 6. Hollywood Heartbreaker(with PATA)
その熱気を受け継ぐかのように、ラウドでヘヴィなロックを轟かせたのがコールドレインだった。メロディアスなヴォーカルと重低音サウンドが、フロアを大きく、そして激しく揺らしていく。“歴史の一部になれて光栄です”というMCがあったが、まさにその歴史的な瞬間を共有できるすごさを、自身のサウンドで証明していたステージでした。
【coldrain:set list】 1. The Revelation 2. No Escape 3. Six Feet Under 4. Die tomorrow 5. The War Is On
そして、エクスタシーの先輩バンドであるレディースルームも、持ち味のロックン・ロールでフェスを大きく盛り上げてくれた。
近年、サポート・ドラムを務めるHIMAWARI(ダスター3)とともに、まずは、エクスタシー・サミットでの無敵バンドでも披露されていた、セックス・ピストルズの「アナーキー・イン・ザ・U.K.」でスタート。
“SEX”連発のロックン・ロールで盛り上げ、最後にはRYUICHIが飛び入り!
GEORGEにRYUICHIがどうしても歌いたい歌があるということで実現したセッションだったが、披露されたのは、なんと「酒と泪と男と女」(河島英五)。HIDEがカラオケで歌っていたというこの曲で会場を“昭和の大人”という雰囲気に染め上げ、しっとりとさせたかと思えば……最後の最後にGEORGEが生ケツを出すというレディースルームらしいオチをつけてくれました。
【LADIESROOM:set list】 1. アナーキー・イン・ザ・U.K. 2. Damage 3. SEX, SEX & ROCK’N ROLL 4. Get Down 5. 酒と泪と男と女(with RYUICHI/河島英五のカヴァー)
そして舞台は、再びメインのMOONステージへ。今年2月に再集結を発表し、10月にはさいたまスーパーアリーナでのライヴが決定しているシャム・シェイドの登場だ。
その再集結の発表後、初のライヴということもあり数多くの観客がステージ前に押し寄せる中、「RAIN」、「D.Z.I.」の連発でノックアウトしていく5人。
そのステージに引き寄せられていると、“なんてカッコいいんだ!”という声とともに、真矢がステージに! そして、“あの有名な曲を聴きたい”という真矢のリクエストに応えて「1/3の純情な感情」のイントロが流れはじめたのだが、栄喜の声に重なるようになぜか真矢が歌い始めたのだ(笑)。
その後、仕切り直して「1/3の純情な感情」、そして13年10月に発表された「Still We Go」をはさみ、代表曲を連ねていく5人。
栄喜がリハーサルで“明日は盛り上げろ”とルナシーから初めての指令らしい指令がくだされたことを語っていたが、その役割を120%果たしてくれた。
【SIAM SHADE:set list】 1. RAIN 2. D.Z.I. 3. 1/3の純情な感情 4. Still We Go 5. Dreams 6. BLACK 7. GET A LIFE 8. Don’t Tell Lies
続いては、今回の出演ラインナップの中で、もっとも若手になるであろうフィアー・アンド・ロージング・イン・ラスベガスが登場。
25年前、ギターのSxunは2歳だっというから、あらためて25年という時の長さを感じさせてくれる。
ライヴは、エレクトロな要素をふんだんに盛り込んだ、目まぐるしく変化していく音世界を展開。フロアを盛り上げ、観客を踊らせていく。
テクニカルな面もみせるメタルコアな楽曲の数々に、場内の気温がまた上昇した感覚にとらわれる。
ラスト近くには、Minami(vo & kb)がフロアにダイヴするという一幕もあり、まさにルナティックという言葉がふさわしい、熱く狂乱のステージを見せてくれた6人だった。
【Fear, and Loathing in Las Vegas:set list】 1. Rave-up Tonight 2. Thunderclap 3. Let Me Hear 4. Flutter of Cherry Blossom 5. Virture and Vice 6. Love at First Sight
そんな熱を切り裂くかのように、場内の空気を一変させたのがディル アン グレイだった。
ステージにかけられた幕の向こうで繰り広げられるダークな「and Zero」、激しい「SUSTAIN THE UNTRUTH」で一気に彼らの世界を作り上げていく。
Toshiya(b)が手にするベースには、Jの愛機にも記されている“WAKE UP! MOTHER FUCKER”のペイントもそれぞれのファンには驚きだったのではないだろうか。
その後も、ステージ後方に映し出される映像も相まって、独自のステージングを展開する中、「空谷の蛩音」ではSUGIZOがヴァイオリンで飛び入りし、華麗なフレーズで楽曲に新たな色を加えてくれた。
ラストにプレイされたファスト・チューンの「羅刹国」でのカオティックな盛り上がりも含めて、熱と冷徹さを交えたライヴも、まさにルナティックだった。
【DIR EN GREY:set list】 1. and Zero 2. SUSTAIN THE UNTRUTH 3. 激しさと、この胸の中で絡み付いた灼熱の闇 4. 朔 -saku- 5. THE FINAL 6. 空谷の蛩音 7. Un deux 8. Revelation of mankind 9. 羅刹国
いよいよフェスも終盤、SHINEステージに登場したのはデッド・エンド。
昨年9月のワンマン・ライヴ以来というところも注目のステージが繰り広げられる。
そんな中、MORRIE(vo)の“特別なゲストを”という声に導かれて、SUGIZO、続いてRYUICHIが登場。披露されたのは、「Serafine」だ。
SUGIZOがアコースティック・ギター、そしてMORRIEとRYUICHIのツイン・ヴォーカルという、なんとも贅沢なシーンが眼前に! また、ひとつ伝説が生まれた瞬間だったのではないだろうか。
【DEAD END:set list】 1. I Want Your Love 2. Psychomania 3. Serafine(with RYUICHI & SUGIZO) 4. Dress Burning 5. Devil Sleep
転換中から、場内の空気が変わっていくのがわかる。そして、場内の暗転とともにX JAPANの海外ライヴの映像が映し出され、オープニングのSEへ。最大級の歓声が沸き起こる中、「Jade」、「Rusty Nail」と続き、Toshlの“今日、お前達の大和魂を見せてみろ!”というMCから「紅」という黄金の流れ。
さらに、“ニュー・アルバムのために会場のみんなの声を録音したい”ということで、新曲「Kiss the Sky」をToshlによるレッスンの後、会場全体で歌い上げるというところもX JAPANらしいところだったのではないだろうか。
ラストの「X」では、左右のスクリーンに“In Memory of HIDE 1964-1998”、“In Memory of TAIJI 1966-2011”という文字が映し出されたり、YOSHIKIさんが声を枯らすまで“We are”を叫び、観客も全力で“X”と応え、またHIDEのライヴ映像も流れたりし、最後の最後までテンション・マックスのライヴを繰り広げてくれた。
【X JAPAN:set list】 SE. Miracle 1. JADE 2. Rusty Nail 3. KURENAI 4. KISS THE SKY 5. ENDLESS RAIN 6. Born To Be Free 7. X
そして、いよいよ主役のルナシー。
X JAPANと同じくフロアにはあふれんばかりの観客が! 場内が暗転、流れ始めたSEがいきなり止まり、「LOVELESS」へ。SUGIZOのトリプル・ネック・ギターもおおいに注目を集めている。SUGIZOは特に、オープニング・アクトのLUNACYから、ディル アン グレイとデッド・エンドへの飛び入りもあり、まさに気の休まることはなかったと思うが、このルナシーのステージでも恐ろしいほどの気迫を感じさせてくれる。
そして、その気迫は他のメンバーもまったく同じ。RYUICHIもMCで話していたが、声が枯れ気味の中、全力のヴォーカルで迫ってくれた。
また、ハイライトの1つだったのが「ピンク スパイダー」のカヴァーだった。RYUICHIの“会場のどこかにいると思います”というMCに続き、鳴り響いたイントロ、そして後方に映し出されたhide。会場のすべてがひとつとなった一時だった。
そして、本編ラスト・ナンバーの「ROSIER」が終わっても止むことのないアンコールの声。
まずは、この日の出演者がステージに招かれてのセッションだ。YOSHIKIは、hide本人のイエローハートのギターを手にしている。披露されたのは「PRECIOUS...」。
RYUICHIとMORRIE、Toshlなどが代わる代わるヴォーカルを取る姿に、何とも言えない感動を覚えたのは本誌取材陣だけではないはず。
そして、ラストはルナシーの5人による「WISH」で大団円。楽曲が終わった後、最後の最後までステージに残り、深く、そして長く頭を下げていたSUGIZOの姿も印象的でした。
【LUNA SEA:set list】 SE. 月光 1. LOVELESS 2. Dejavu 3. Rouge 4. JESUS 5. TONIGHT 6. gravity 7. Sweetest Coma Again 8. I for You 9. ピンク スパイダー(hide with Spread Beaverのカヴァー) 10. STORM 11. TIME IS DEAD 12. ROSIER 〈encore〉1. PRECIOUS...(セッション) 2. WISH
※全バンドのセットリストはWeROCK調べです。