LUNATIC FEST. 2日目!!
2日目のオープニング・アクトもLUNACY。
前日、声が枯れていたようだったRYUICHIも完全復活! インディーズ盤のオープニングを飾った「FATE」から飛ばしまくりで盛り上げていく。
2曲目は「SUSPICIOUS」。セカンド・デモ・テープに収録されるも、11年の『LUNA SEA』のセルフ・カヴァーの初回盤に封入されていたセカンド・デモ・テープの復刻版まで音源化されなかった楽曲だが、こうした選曲でもファンを喜ばせたLUNACYだった。
【LUNACY:set list】 SE. King Volcano 1. FATE 2. SUSPICIOUS 3. SHADE
メインのMOONステージに立ったのは凛として時雨。バンド側の意向だろうか、左右のスクリーンを使わないライヴはかえって観客の目と耳をステージ上の3人に集中させていたようだった。そして、バンドが内包した狂気が確実に観客に染み通っていくのが伝わってくる。その狂気はラストの「傍観」で完全に会場を支配していたのだった。
【凛として時雨:set list】 1. I was music 2. DISCO FLIGHT 3. Enigmatic Feeling 4. 感覚UFO 5. 傍観
続いて、FATEステージに現われたのはロットングラフティーだ。パンクをベースにしたミクスチャーなハードなサウンドが、クラウド・サーフやツー・ステップを巻き起こしていく。そして、バンド自身がJが設立したレーベルからシングルをリリースしたこともあって、“兄貴分”として紹介されたJが「This World」に飛び入り!
昨日に引き続いての早くからのサプライズにファンも歓喜の声を挙げる。また、出身地である京都について歌った「響く都」での和のテイストも、初めて彼らを観る人を驚かせたと思う。
【ROTTENGRAFFTY:set list】 1. 世界の終わり 2. This World(with J) 3. 響く都 4. D.A.N.C.E. 5. 金色グラフティー
3番手は、元ソフトバレエの藤井麻輝と森岡 賢によるユニット、マイナス(-)。4つ打ちとエレクトロなサウンドで組み上げたダンサブルなチューン、そして森岡の有機的なヴォーカルが、観客を踊らせていく。いっぽう、森岡のヴォーカルはダークに会場を包み込み、マイナス(-)が持つ二面性を鮮やかに感じさせてくれたステージだった。
【minus(-):set list】 1. 444 2. NO_4 3. PEEP SHOW 4. NO_5 5.B612
そして、アイオンが登場した。
ステージが始まる瞬間、ステージ袖にJがいてまるでローディのようにDEANにベースを手渡すなど、当時の師弟関係を思わせるような一幕も。そして、WeROCK 047の誌面でIZUMIがコメントしていたようにすべて新曲で挑むというチャレンジも見せ、わずか3曲ながらバラードも盛り込み新しいアイオン像を提示してくれたのだ。
しかし、最近はSGを手にしているというIZUMIだが、変形ギターのイメージが強すぎるので、あらためてステージで観るとかなり新鮮だったことも付け加えておこう。
【AION:set list】 1.RUINS ONLY 2. 君へ 3. SKY
97年に開催されたSUGIZO主宰のイヴェント“ABSTRACT DAY”から親交をグッと深めてきたという土屋昌巳。その土屋昌巳がISSAY(デルジベット)らと結成したのがこのカフカだ。そして、キーボードにはマイナス(-)のメンバーでもある森岡 賢、ベースはウエノコウジ(the HIATUS)、ドラムは宮上元克(ザ・マッド・カプセル・マーケッツ)という、いわゆるスーパー・バンドと言えるメンツだろう。
“先月、ファースト・アルバムを出したばかりの新人です”というMCでリラックスさせてくれたが、サウンドはキャリアが反映された、さすがの一言。リズム隊の太いサウンドに土屋の生々しいギター・プレイと森岡のデジタル・サウンド、ISSAYの存在感のある声が、KA.F.KAだけの世界を築き上げていく。最後にはカフカを結成するにあたって重要な意味を持ったというジョイ・ディヴィジョンのカヴァーをSUGIZOさんとともに披露。観客に強烈な印象を残したKA.F.KAの5人だった。
【KA.F.KA:set list】 1. Spider & Pirates(inst.) 2. Jack The Midnight 3. The Prisonor 4. Last Shadow 5. Transmission(with SUGIZO/ジョイ・ディヴィジョンのカヴァー)
多彩なジャンルを消化し、ハードかつヘヴィなサウンドでまとめあげるムックが、メインのMOONステージに。その重い音像とメロディとの対比、そしてシリアスな楽曲と達瑯のMCとのギャップもまた見どころだった。特にルナシーのライヴ“LUNATIC TOKYO”(95年)でのRYUICHIのMCをマネしつつ、マネをするのは2回目で初めてマネしたのはムックでの初ライヴだったことなどを明かしたり、ムックの思い出作りとして、フロアの観客を座らせてからSATOちのカウントでいっせいにジャンプさせたりというシーンがあったり、MOONステージ全体をまとめあげていく(そう言えば、ロットングラフティーでも同じように観客を座らせてからのいっせいジャンプがあった!)。最後にはメタリックでコアな「TONIGHT」をぶちかまして完全燃焼! ムックの楽しさと熱さを感じさせてくれたステージだった。
【MUCC:set list】 1. 睡蓮 2. ENDER ENDER 3. D・f・D(Dreamer from Darkness) 4. G.G. 5. 蘭鋳 6. TONIGHT
オルタナ的なアプローチや同期も取り入れたハードなサウンドを連発して、フロアを盛り上げてくれたのはアレキサンドロス。
楽屋に挨拶に行った際、ルナシーから“好きにやっていいからね”と言われたことを明かし、そのこともあってか彼ら自身がこのフェスを楽しんでいるのが伝わってくる(もちろん、その姿勢は他の出演バンドにも共通して感じたが)。攻めの楽曲を中心としたライヴ・パフォーマンスで、FATEステージをしっかりと締めくくってくれた。
【[Alexandros]:set list】 SE. Burger Queen 1. Stimulator 2. starrrrrrr 3. Kick & Spin 4. Famous Day 5. ワタリドリ
新曲から代表曲まで、まさにベスト・オブ・ベストといった選曲でたたみかけてきたGLAY。
しかも、中盤にはHISASHIが上京してきた時に手にして大きく影響を受けたという『LUNA SEA』から“最大の敬意を込めて”「SHADE」のカヴァーも! WeROCK 047の誌面でTAKUROは、“出演者の中で唯一狂ってないのはGLAYだけです”とコメントしてくれたが、充分すぎるほどに観客を狂わせてくれたステージだった。
【GLAY:set list】 SE. who killed bamboo 1. HEAVY GAUGE 2. 誘惑 3. 微熱Ⓐgirlサマー 4. 月に祈る 5. 口唇 6. SHADE(ルナシーのカヴァー) 7. 彼女の“Modern…” 8. TILL KINGDOM COME 9. HEROES
ファンにはお馴染みのSEがデランジェの登場を告げると、大きな歓声に迎えられ4人がステージに。初期の代表曲「SADISTIC EMOTION」や「LULLABY」などで盛り上げた後、kyoが“名前を言わなくてもわかっていると思う”と話し、ファンに飛び入りゲストの名前を叫ばせる。登場したのは、もちろんINORAN。
彼がCIPHERを敬愛しているのは、ファンには周知の事実だろう。そして、INORANを加えてプレイされたのは、インディーズ時代からの代表曲「LA VIE EN ROSE」! 以前、デランジェ主催のイヴェントで共演を果たしたことがあったが、今回はルナシー主催のフェスでの共演。ギターを奏でるINORANのうれしそうな表情が印象的でした。
最後はニュー・アルバムから「CRAZY4YOU」をプレイ。現在進行形の4人を強く印象づけてくれた。
【D’ERLANGER:set list】 SE. UNDER THE PRETENSE 1. SADISTIC EMOTION 2. dummy blue 3. LULLABY 4. LA VIE EN ROSE(with INORAN) 5. CRAZY4YOU
いよいよ、フェスの大詰め。MOONステージに登場したのは、このフェスが今年初のライヴとなるBUCK-TICK。1曲目の「独壇場Beauty -R.I.P-」から一気に会場を自分達の色に染め上げていくさまは圧巻だった。
また、近年の曲を軸にしつつ、今井寿がテルミンを操作し、ラテンな空気感も放つ「Django!!! –眩惑のジャンゴ-」などBUCK-TICKの持つ多彩な色を見せてくれる。そして、何と言っても「ICONOCLASM」でのJの飛び入りはハイライトのひとつ!
05年に発表されたBUCK-TICKのトリビュート・アルバムでこの曲をカヴァーしたJ。ここで飛び入りしないわけにはいかないだろう! その大きな盛り上がりのまま、最新作から2曲を立て続けにプレイ。あらためて現在のBUCK-TICKの世界観をみごとに展開してくれたのだった。
【BUCK-TICK:set list】 SE. THEME OF B-T 1. 独壇場Beauty -R.I.P- 2. メランコリア –ELECTRIA- 3. ONCE UPON A TIME 4. Django!!! –眩惑のジャンゴ- 5. Mement mori 6. ICONOCLASM(with J) 7. 真っ赤な夜 -Bloody- 8. 形而上 流星 -metaform- 9. 無題
奇跡のフェスも、いよいよ最後。待望のルナシーの登場だ。ステージは、最新アルバムのオープニングを飾る「Anthem of Light」で幕を明け、畳み掛けるように代表曲を連発。
SUGIZOがヴァイオリンを手にした「Providence」、昨日と同様に“ルナシーを知らなくてもいっしょに歌えると思う”というRYUICHIのMCとともにLUNATIC FEST. に関わるバンドやスタッフのみんなに捧げますと情感たっぷりに歌われた「I for You」など、緩急を織り交ぜてルナシーの25年間を凝縮するかのようなステージを繰り広げていく。そして、この日はhide with Spread Beaverの「ROCKET DIVE」のカヴァーも披露。ステージ後方のhideとともに5人、そして会場の全員の歌声が響き渡った。
本編最後の「ROSIER」が終わり、もちろんこの日もアンコールを求める大きな声が止まらない。初日と同じく出演陣がステージに呼び込まれ、この夜は「BELIEVE」がプレイされる。ルナシーを中心に笑顔でセッションを繰り広げる出演陣……これも奇跡の一瞬だろう。さらにラストはルナシーの5人が「WISH」を披露。この日最大のファンの歌声が挙がり、2日間にわたるフェスは狂乱の中、幕を閉じた。
本編のステージで、RYUICHIが叫んだ“また、やりたいぜ!”という言葉。再びの奇跡を期待したいと思う。
【LUNA SEA:set list】 SE. 月光 1. Anthem of Light 2. TONIGHT 3. DESIRE 4. TRUE BLUE 5. FACE TO FACE 6. Providence 7. I for You 8. ROCKET DIVE(hide with Spread Beaverのカヴァー) 9. Metamorphosis 10. TIME IS DEAD 11. ROSIER 〈encore〉1. BELIEVE(セッション) 2. WISH
この二日間のフェス、WeROCK 047の「ルナフェス完全攻略ガイド」と合わせて読んで頂けると完結します!
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※全バンドのセットリストはWeROCK調べです。